医療的ケアとは

「医療的ケア」という言葉には明確な定義がありません。

  • 非医療職が行う日常生活に必要な医療行為全般を広く「医療的ケア」と呼んでいます(広義の医療的ケア)

  • 介護職員等が実施可能な医療的ケア

  1. 「原則として医行為ではないと考えられる行為(11項目)」

  2. 「介護職員等による喀痰吸引等(5項目)」の16項目です。

 
​広義の医療的ケア

 

 非医療職が行う日常生活に必要な医療行為全般を広い意味で「医療的ケア」と呼んでいます。

以下、参考文献に示されている定義です。

 

 医療的ケアは基本的に「非医療職が行う医療行為」ですから、「医療職が行う医療的ケア」だとちょっと変な使い方になります。日常的にはそこまで厳密に用語を定義しているわけではないので、あまり気にせず使っています。

狭義の医療的ケア

 

 狭義の医療的ケアは以下の2つに分類できます。

医行為ではないと考えられる行為(通知)

厚生労働省.2005(平成17)年.医政発第0726005号.医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の 解釈について(通知)

 厚生労働省は平成17年に、原則として医行為ではないと考えられる行為について通知しています。この通知には原則として医行為でないと考えられる行為として以下の11項目が記載されています。ただし、それぞれの項目には実施条件がありますので詳細は通知をご確認下さい。

  1. 体温測定

  2. 血圧測定

  3. パルスオキシメーターの装着

  4. 軽微な切り傷・擦り傷・やけど等の処置

  5. 医薬品使用の介助

  6. 爪切り

  7. 日常的なオーラルケア

  8. 耳垢の除去

  9. ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること

  10. カテーテルの準備・体位の保持

  11. 市販の使い捨て浣腸器による浣腸

介護職員等による喀痰吸引等

 介護職員等による喀痰吸引等(認定特定行為)は以下の5項目です。

  1. 口腔内吸引(咽頭の手前まで)

  2. 鼻腔内吸引(咽頭の手前まで)

  3. 気管カニューレ内吸引

  4. 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養

  5. 経鼻経管栄養(挿入状態の確認は看護師)

 

介護福祉士(平成27年度以降)による喀痰吸引等は「介護」に含まれます。

上記の介護福祉士以外の介護職員等による喀痰吸引等は「認定特定行為」と呼びます。

厚生労働省HP 喀痰吸引等制度について

ご家族による医療的ケア

 「家族による医療行為は違法だが、一定の条件を満たしていれば違法性が阻却される」と考えられます。詳しくは「家族による医療行為はなぜOKなのか」をご参照ください。

介護福祉士の定義

 

 2011(平成23)年6月22日 社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により介護福祉士の定義が変わり、介護福祉士の業務である「介護」に「喀痰吸引等」が追加されました。  

社会福祉士及び介護福祉士法第2条(定義)

2 この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護喀痰(かくたん)吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

 

介護福祉士養成課程における医療的ケア

 

介護福祉士養成テキスト第4巻 医療的ケア

 

 介護福祉士養成課程における医療的ケアの教科書には、上記の「医行為ではないと考えられる行為11項目」と、「介護職員等による喀痰吸引等の5行為」が書かれています。

つまり、介護福祉士養成課程における医療的ケアとは、狭義の医療的ケア16項目のことを示しています。

参考文献

 

 

 

 

​2018(平成30)年2月10日作成