子どもの変化、親の変化

2011年11月28日

 ミクさんのお母さんがセミナー「重度だってケアホーム!」にて「ケアホームの利用を始めて〜子どもの変化、親の変化」をお話しして下さいました。下記はその原稿の一部です。

はじめに

 まずはじめに、そもそもなぜケアホームを望んだのかという事ですが、意思表示が難しい子ども達ですので、本人が「ケアホームで暮らしたい」と言ったわけではありません。

 実際のところは、そんな事望んでいないと思っている子もいるかもしれないし、ケアホームと自宅の違いすら理解できていない子もいるかもしれません。

 決断については、多分に親の考えによるものです。

ケアホームという発想

 これまでの20数年、主に母親が子ども達の面倒を見て、思いを代弁してきました。全ての事において、親がその生き方を選んできました。そうせざるを得なかったからです。

 

 看れるものなら、自分で一生看ていたい、自分ほどこの子の事を考えられる人はいない、ずっとそんな風に思っていました。

 でも、子どもは成長する、親は歳をとる。自分の方が先に死んでしまうだろうと考えれば、いずれはどこかに入所させてもらうしかありません。

 

 そんなことも考え、施設見学やショートステイの体験などによって、いくつかの施設を見てきました。

 先入観はあったかもしれませんが、入所施設が何の問題もなく、そこでなら安心して子どもが幸せに暮らせる保証があったなら、ケアホームという発想もなかったでしょう。

 

​入所は最後の手段

 障害が重ければ重いほど、大人数の施設で暮らすことは無理だと思われました。入所は最後の手段。もう少し親が歳をとるか、病気にでもなって子どもに「仕方ない」と言い訳が出来る状況にならない限り、入れたくはない。そもそも、親が死なない限り入れないとも言われています。

 

 親が倒れて、どう頑張ってももう無理だとなってから慌てて入所させたとしたら、そこに慣れるまでの子どもの不安な気持ちはどれくらいのものでしょうか。

 障害のある子を持つ多くの親は、この子を残して死ねないと考えています。

みらいの始まり

みらいが立ち上がったときは、長年の夢が実現した喜びでいっぱいでした。しかし同時に、いよいよ手放す時が来たと、不安な思いもありました。

 

 私の場合は、子どもが緊張なく眠れる日まで、何日でも付き添う覚悟でおりました。

 最初は子どもも慣れない場所で緊張し、眠るまでとても時間がかかりました。眠ったと思っても眠りが浅く、何度も目を覚まし、眠れない事もありました。

 1週間ほど泊まり込み、その後は眠ったのを見届けてから家に帰るようにしました。徐々に寝付きが早くなり、緊張もとれて良く眠れるようになりました。

 9月からは夜の付き添いをやめましたが、朝お迎えに行くと、とてもスッキリとした顔で、ひとつ大人になったなと感じられます。

 

親の方が教えられている

 子どもの様子を見て、親以外の人と新たな関係を築き、その中でうまく暮らしていることを実感します。始めは頼りなかったスタッフも、どんどんたくましくなってきて、安心してお願いできるようになりました。

 

 何もできない、何も言えない子ども達ですから、すべてをわかって世話をできるのは親しかいないと思っていましたが、今は反対に親の方が教えられています。